心不全とは、なんらかの原因で心臓がポンプとして機能しなくなり、全身に血液や酸素が十分に行きわたらない状態の総称です。その結果、少しの動作で息があがる、全身に浮腫みが生じる、などの症状が出現します。
原因となる虚血性心疾患や弁膜症、不整脈などに対して、適切な診断、治療が必要となります。

心臓は筋肉の塊で、絶えず動き続けるには酸素・栄養が必要となります。心臓の周りを流れる「冠動脈」と呼ばれる血管が、動脈硬化が原因で詰まってしまうことによって栄養不足となり、胸に締め付けられるような痛みが生じます。
狭心症はその程度により緊急性はさまざまですが、心筋梗塞は心臓の筋肉が完全に壊死している状態で、命の危険を伴います。
原因となる動脈硬化を予防することが非常に重要です。

手足の血管にも動脈硬化が生じ、狭窄や閉塞することによって、心臓と同様に血流の悪い部位に痛みが生じます。日本人は下肢動脈に起こることが多く、長時間歩行で下肢に重い痛みを感じる「跛行」で受診、発見されます。心臓と同様、動脈硬化予防が非常に重要です。

心臓は絶えず電気を自家発電しており、電気信号は筋肉の興奮として心臓全体に伝わります。発電や電気信号の経路に異常が生じることによって、脈が極端に早くなったり遅くなったりと、様々な不整脈が生じます。
検診などたまたま発見されるケースもありますが、動悸や息切れ、眩暈などの自覚症状があるものは、心不全や脳梗塞の原因となため治療が必要となります。

心臓は4つの部屋の集まりで、部屋と部屋、部屋と血管の間に扉が存在し、これを「弁」と呼びます。弁の役割は血流を一定方向に保つことですが、弁に障害が生じると、血流が逆流したり停滞する状態になります。この状態が進行すると心不全となるため治療が必要となります。弁を取り換える手術が必要でしたが、最近では低侵襲のカテーテル治療も可能となりつつあります。